お線香とライター

我が家には亡くなった父親のための仏壇があります。

仏壇を設置した当初から朝に夕に主に母親がお線香を上げていました（母親も含めて我が家は無宗教ですが地域神社の氏子、お寺の檀家にはなっています）。

３.11の東日本大震災の日、当地神奈川県雑文館地方も大きな揺れに襲われました。

我が家の被害は私の部屋に無造作に積んでいた本が散乱しドアが開かなくなったのと一時的に停電した程度でした。

台所仕事をしていた母親は使っていたガスの火を直ぐ止めたそうです。

 

そして暫くして家族と相談して仏壇の蝋燭とお線香に火を灯すのは止めることにしました。

お線香を点けてもお経をあげる訳でもないので手を合わせて終了です。

でも、お線香は消す訳ではないので燃え尽きるまで灯っています。

それを見張っている人は居ません。

それはこれまで何等の問題も起きなかったからです。

 

しかし、３.11級の災厄が当地を襲った場合、仏壇の蝋燭やお線香が原因で火事になる可能性は排除できません。

そして我々人間の方も物忘れや痴呆が進行し災厄ではなくても火の扱いは不用心になります。

それならボケていない内に「蝋燭、お線香を点けない」を習慣化しようということに。

それで家内は治まりましたが墓参りで困った事に。

それは「お線香に火を点けるライターが無い」ということに墓地で気づいたことです。

 近くに店も無く人影も無いのでお線香は諦めました。

 

墓参後、暫くライターの事は忘れていましたが思い立って普段から利用する大手ネット通販を検索してみました。

何ということはなく100円ライター（今は100円じゃないけど）がザクザク出てきます。

ただ、単価が単価なので１個売りは無く、最低でも３個（350円で送料無料）からの販売です。

３個もあれば十分なので申し込みました。

 

考えてみると現代はライターを必要とする場面が少なくなりました。

風呂釜は電導着火、ガスコンロもコックを回せば火が点きます。

七輪に火を入れ何かを焼くというのも昔はよく見たものですが今は見かけません。

とここまで書いてきて『いや待てよ、キャンプがあるぞ』と。

 

今や家族や ぼっち（一人）キャンプが大流行だそうで 、ここはライターの出番は多いぞと。

考えてみれば霊園とキャンプ場は広大な敷地に緑の木々といった共通点？があります。

お線香に火を点す、バーベキューコンロやキャンプファイヤーに火を点す。

規模は違えどやはりこれも共通点かな、煙も出るしね・・・。

 

　　　　　　「其々に 心安らぐ 火を点す」